Okapi Project

Eclipse の基本的な使い方

バージョン
2003 年 12 月 6 日 Ver.1.1
作成者
T.Hirata ( Xware )

要約

ここでは Eclipse でプログラムを作って実行したり、作ったプログラムをデバッグするといった基本的な使用方法を解説します。

目次


1. プロジェクトの作成

まずは、プロジェクトを作成します。プロジェクトは、プログラムに関する各種情報を管理します。

 

(1)新規プロジェクト

Eclipseを起動し、メニューから「ファイル」-「新規」-「プロジェクト」を選択します。

新規プロジェクトの作成

 

 

(2) プロジェクト種類の選択

左側で「Java」を、右側で「Java プロジェクト」を選択し、「次へ」をクリックします。

作成するプロジェクトの種類の選択

 

(3) プロジェクト名の入力

「プロジェクト名」を入力し、「次へ」をクリックします。

ここで入力したプロジェクト名は、このあと作成するソースファイル等を格納するフォルダ名にもなるので、分かりやすい名称にするよう心掛けましょう。

今回は「sample」とします。

 

プロジェクト名(P):

プロジェクトの名称を入力します。

 

プロジェクト内容:

プロジェクトの格納場所を指定します。

 

デフォルトは、Eclipse格納先のworkspaceフォルダ配下になります。

プロジェクト名を入力

 

(4) ビルド設定

何も変更する必要がないので、「終了」をクリックします。

ビルド設定の定義

 

(5) プロジェクト作成完了

これで、プロジェクトが作成できました。

画面左側の「パッケージエクスプローラ」ビューに「sample」というプロジェクトが登録されているはずです。

新規プロジェクトの登録完了

 

 

2. クラスの作成

 

次に、クラスを作成します。Javaプログラムは、クラスという基本単位で作成します。

 

(1) 新規Javaクラス

メニューから「ファイル」-「新規」-「クラス」を選択します。

新規クラスの作成

 

(2) クラス名の入力

「名前」にクラス名を入力し、「終了」をクリックします。

クラス名は、一般的に先頭を大文字で始めます。

分かりやすく、命名規約に沿った名称にするよう心掛けましょう。今回は「Sample01」とします。

 

ソース・フォルダー(D):

ソースを格納するフォルダを入力します。

パッケージ:

ソースが属すパッケージを入力します。

エンクロージング型(Y):

新規クラスを囲む型を選択します。

名前(M):

クラスの名称を入力します。

修飾子:

クラスの修飾子を選択します。

スーパークラス(S):

スーパークラスを入力するか、「ブラウズ」で選択します。

インターフェース(I):

「追加」でインプリメントするインターフェースを追加します。

どのメソッド・スタブを作成しますか?:

初期作成されるソースの骨格を選択します。

作成するクラスの情報入力 

 

(3) クラス作成完了

これで、クラスが作成できました。

画面左側の「パッケージエクスプローラ」ビューに「Sample01」というクラスが作成され、画面中央のエディタに自動的に雛形が入力された「Sample01.java」が表示されているはずです

新規クラスの登録完了

 

3. プログラムの実行(引数なし)

 

それでは、作成したプログラムを実行してみましょう。

ここでは、サンプルとして以下のようなプログラムを作成し、実行することとします。
エディタでMainメソッドを入力し、Ctrl+[S]キーで保存します。

public class Sample01 {


    public static void main(String[] args){
        System.out.println("これは、サンプルプログラムです。");
    }

}

 

 

(1) 実行準備

メニューから「実行」-「実行」を選択します。

実行を選択

 

 

(2) 起動構成の作成

「Javaアプリケーション」を選択し、「新規」をクリックします。

実行のために必要な情報を入力

 

 

(3) メインクラスの入力

「メイン・クラス」等を入力し、「実行」をクリックします。

引き続き実行のために必要な情報を入力

 

 

(4) 実行結果

  プログラムが実行され、画面下側の「コンソール」ビューに「これは、サンプルプログラムです。」という文字が出力されるはずです。

プログラムの実行結果表示

 

 

4. プログラムの実行(引数あり)

 

もし、作成したプログラムが引き数を持つような場合は、以下のように引き数を指定して実行します。

ここでは、サンプルとして以下のようなプログラムを作成し、実行することとします。
エディタでMainメソッドを入力し、Ctrl+[S]キーで保存します。

public class Sample01 {


    public static void main(String[] args){
       String msgValue01 = "これは、";
       String msgValue02 = "です";
       System.out.println(msgValue01 + args[0] + msgValue02 + args[1]);
    }

}

 

(1) 実行準備

メニューから「実行」-「実行」を選択します。

実行を選択

 

 

(2) 起動構成の作成

「メイン・クラス」等が正しく入力されていることを確認し、「引き数」タグを選択します。

実行のために必要な情報を入力

 

(3) 引き数の指定

「プログラム引き数」に引き数を入力し、「実行」をクリックします。

引き数と引き数の間は半角スペースで区切ります。

ここでは、第1引き数に「サンプルプログラム」、第2引き数に「!」を設定してみます。

実行時にプログラムに渡す引数を入力

 

 

(4)実行結果

プログラムが実行され、画面下側の「コンソール」ビューに「これは、サンプルプログラムです!」という文字列が出力されるはずです。

プログラムの実行結果表示

 

 

5. デバッグ

 

もし、作成したプログラムが思うように処理されない場合などは、デバッグ機能を使用すると便利です。デバッグ機能は、任意の場所で実行を一時中断させたり、変数の中身を覗きながら1行ずつ実行させたりすることができます。

 

ここでは、先程作成したサンプルプログラムを以下のように修正し、Ctrl+[S]キーで保存します。実行して「これは、サンプルプログラムです。」と出力されることを実行手順に沿って確認しておきましょう。

 

public class Sample01 {


    public static void main(String[] args){
       String  msgValue =  "これは、サンプルプログラムです。";
       System.out.println(msgValue);
    }

}

 

 

(1)一時中断箇所の指定

エディタで、String msgValue = "これは、…"; の行の先頭(グレーの部分)をダブルクリックします。すると、青い丸が表示されます。

これをブレークポイントと言い、この行を実行する直前で、実行を一時中断するという目印です。

ブレークポイントを設定する行の行頭部をダブルクリック

 

 

(2)デバッグ準備

メニューから「実行」-「デバッグ」を選択します。

「実行」-「デバッグ」を選択

 

 

(3)デバッグ起動

そのまま「デバッグ」をクリックする。

デバッグモードでの実行に必要な情報を入力

 

 

(4)制御アイコン

画面が「デバッグ」パースペクティブに切り替わり、先程指定した箇所で中断しているはずです。

「デバッグ」ビューのツールバーにあるボタンで、実行状況を制御します。

今回は、「ステップオーバー」をクリックして、1行進めてみます。

制御アイコンからステップオーバー操作

制御アイコン拡大図

制御アイコン一覧

 

1. 再開

中断しているスレッドを再開します。

2. 中断

コードのブラウズや変更、データのインスペクション、ステップなどを行うことができるように、ターゲットの選択されているスレッドを中断します。

3. 終了

選択されたデバッグ・ターゲットを終了します。

4. 切断

リモートでデバッグ中に、選択されているデバッグ・ターゲットからデバッガーを切断します。

5. 終了したすべての起動を除去

終了したデバッグ・ターゲットをすべてビューの表示から消去します。

6. フィルター操作のあるステップ

ステップ・フィルターの現行セットが適用されている、強調表示されたステートメントにステップインします。

7. ステップイン

強調表示されているステートメントにステップイントゥします。

8. ステップオーバー

強調表示されているステートメントをステップオーバーします。実行は、同じメソッド内の次の行、または、(メソッドの最後の行にいる場合は) 現在のメソッドを呼び出したメソッドから続行します。

9. リターンまで実行

現行メソッドからステップアウトします。このオプションは、現在のメソッドを終了した後、実行を停止します。

 

 

(5)デバッグ結果

エディタの反転している行が一つ進み、「変数」ビューにmsgValueが表示されます。

msgValue に、"これは、…"という文字列が正しく代入されていることが分かります。

ここまででは、まだ画面下の「コンソール」ビューには出力されていません。もう一度、「ステップオーバー」をクリックし、System.out…の行を実行させてみましょう。

引き続き制御アイコンからステップオーバー操作

 

なお、デバッグ中に変数に格納されている値を書き換えることもできます。

「変数値の設定」ダイアログ

 

 

(6)デバッグ終了

次の行が実行され、文字列がコンソールに出力されました。「デバッグ」ビューのツールバーにある「終了」をクリックして、デバッグを終了します。

デバッグを終了

 


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