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3. オブジェクト指向でシステム設計

3.2. オブジェクトの抽出と概念クラス図

3.2.3 概念クラス図

これまで、整理したクラス間の関連を整理し概念クラス図を作成します。

概念クラス図は、問題領域の抽象的な概念であるクラスが静的にどのような関連を持つのかを示します。

これにより、これから作ろうとするシステムの構造を人が理解できる概念に置き換えるのです。


洗い出したクラス候補に対して、それぞれ関連をつけていきます。


A. 入力装置 − 式

式は、入力装置より入力された情報を元に計算する。

1回の入力で、1つの式しか処理できないので、1:1の関係となる。


B. 式(÷、×) − 数値

割算(÷)、掛算(×)共に、「x」、「y」、「答」を持つ(保持する)

1つの式は必ず「x」、「y」、「答」を持つので、1:3の関係となる。


C. 出力 − 式

出力装置は、式の導き出した結果を表示する。

計算か1回につき1度表示するので、1:1の関係となる。


概念クラス図を作成する場合は、プログラムのつくりを意識しないことが重要です。そして、クラス間の関連は処理の流れを示しているのではなく、クラス間の関係を表しているだけなので注意が必要です。

概念クラス図のポイント
1. 抽象化により、同じ概念のものは一つのクラスとして表現する。
2. 汎化により、共通的なクラスとそれを拡張するクラスの継承関係を見つける。
3. クラスの関連はプログラム処理の流れでは無く、クラス間の関係を示す。